タイピングゲームはゲーム?
タイピングゲームの元になったのはタイピングソフトという、キーボードトレニーング用のプログラムです。昔はキーボードの種類が色々あり、また、ワープロと同様に文字の入力を業務とする人たちがたくさんいました。そのため、キーボードの打ち込み、というのが貴重なヒューマンスキルだったのです。入力の速度、正確さ、この頃のキーボードトレーニングで最高の目標とされたのはかな入力による正確で高速な打ち込みです。ワープロのプロは打鍵数の大幅に少ないかな入力をしていました。
最近は、日本語入力環境が大きく変化し、ローマ字入力の人が多くなりました。また、パソコンを使う人も、プロよりも大衆化したため、従来のキーボードトレーニング用のソフト自体が、ローマ字入力サポートもしくはメインの初心者向けとなり、その流れにのって、今までビジネス用ソフトを発売していたメーカーがキャラクタを使用したキーボード入力トレーニングや、ゲーム要素のあるものを発売するようになってきます。
初心者向け、教育用という名目を得て、販売しやすく、また購入者へアピールしやすくなったためです。昔のパソコンユーザはアドベンチャーゲームやリスト入力でフリーソフトを楽しむスタイルだったため、キーボードトレーニング自体は日常的に行われていて、取り立ててメインジャンル化しにくかったのです。
こうして、人気のアニメキャラクターなどを使った近年のタイピングゲームという大きなジャンルに成長しました。その意味でもタイピングゲームはパソコン独自のジャンルといっていいでしょう。
タイピングゲームの王道は?
とはいえ、タイピング要素が昔のゲームに全くなかった訳ではありません。正確さといいう意味では、昔のアドベンチャーゲームは直接文字を入力していたと言いますし、もっとも、この分野で衝撃的だったのはあの有名な「Wizardryウイザードリィ」でしょう。
このゲームは様々な現代のゲームの原型を作りましたが、タイピングをミスると、呪文に失敗してターン中何もできなかったり、罠が発動して全員ロストする場合もあるという、スリリングで緊張感に満ちたものです。それが複雑な単語でなく、幾つかのバリエーションを持った、ゲーム独自の専用用語だという点が、ゲームの世界への没入に大きく貢献しており、巧妙かつ高い効率のタイピングアクションです。恐らくタイピングゲームの原点にして究極と言えるゲームでしょう。
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